コラムシフトを最近見なくなった理由

インパネシフト

コラムシフトはシフトレバーの一種。ハンドルの軸となる部分(ステアリングコラム)についているシフトレバーです。フロントシートのスペースを空けられる優れモノとして多くの車種に採用されていましたが、最近ではめっきり姿を見なくなりました。どうしてコラムシフトは使われなくなったのでしょうか。

デートカーの定番「ベンコラ」を生んだ機構

シフトをハンドル付近にとりつける事によって、シートが広々と使えるようになるのがコラムシフトの大きな魅力。1980年代に入ると、運転席と助手席をひとつに繋げてベンチのようにする車が流行し、ベンチシートとコラムシフトを合わせて「ベンコラ」という言葉が生まれたほど、一世を風靡した機構でした。

ベンチシートは助手席側から運転席への乗り込みもスムーズで、いざとなればフロントシートに3人が腰掛けることもできたのです。現在は、軽自動車が車内のスペースを確保するために、運転席・助手席をくっつけたベンチシート仕様の車種も増えています。

コラムシフトのデメリット

コラムシフトにはいくつかのデメリットがありました。特性上、ギアの切り替わりが感覚的に分かりにくく、ミスを誘発しやすいという点。また、シフトレバーがステアリングコラムから伸びているため、ギア表記がハンドルの裏に隠れてしまうのもデメリットでした。

そのため、ギアの段階が少なく、操作性も気にせずに済む大型トラックなどの特殊な車種を除いて、どんどんコラムシフトが廃止されていったのです。フロントシートのスペースを空けられるというメリットがあるものの、

2022年現在の主流は「インパネシフト」

現在では「インパネシフト」が主流です。インパネシフトは、フロアシフトの操作性とコラムシフトの省スペースを兼ね備えた機構といえます。

フロアシフトとは従来のシフトレバーのこと。床の近くに設置されていることからフロア(=床)シフトと呼ばれています。操作性は抜群ですが、座席の真ん中に位置することになり、特に軽自動車やミニバンではフロントシートが狭く感じてしまうというデメリットがありました

なお、インパネとは、インストルメントパネル(計器盤)のこと。近年では電子制御の精度が上がり、シフトを物理的に操作してギア変更をする必要はなくなりました。現在もシフトレバーを取りつけている車種もあり、物理的な操作をしているような感覚を覚えますが、実のところ電子制御しているという車種も増えています。そのため、従来はメーター類が設置される位置にシフトを設置することができるようになったのです。